映画『カリプソ・ローズ』公式サイト。現在も世界を飛び回り活躍する80歳のカリプソ歌手、カリプソ・ローズ。彼女の70歳を記念して制作されたドキュメンタリーが2021年春日本初公開!カリプソの女王が歌う苦難と栄光の人生ストーリー、それはアフロカリビアンの魂の旅でもある。どんな時代にあっても、人間の可能性、生きる強さを伝えてくれる、彼女の人生の軌跡が今ここに!

イントロ&ストーリー

INTRO (作品紹介)

2019年4月。

世界でもっとも有名な野外フェス、コーチェラのステージに79歳で立った女性がいる。

カリプソ・ローズ。
半世紀以上もカリプソの女王として君臨し、西インド諸島の人々に深く愛されているシンガーだ。

2011年に公開された『カリプソ・ローズ』は彼女の魂と音楽の軌跡を追ったドキュメンタリー。

1940年にトバゴ島に生まれたローズは、15才からギターを片手に作詞作曲をはじめ、800曲以上も作った天才である。

パリ、トリニダード&トバゴ、ニューヨーク、西アフリカのベナン共和国。音楽の旅を続ける彼女を追いながら、牧師の娘として生まれながらカリプソ・アーティストを志し、男性中心の音楽業界で名を上げるまでの苦労、歌詞に込める思い、そして結婚をしていない理由など、めったに語られなかった女王の秘密がつまびらかになっていく。

ローズ個人の人生をひも解くうちに、トリニダード&トバゴが生んだカリプソとソカの背景、カーニバル文化の重要性や、アメリカやイギリスに移民するアフロ・カリビアンたちの生き方までも理解できる作りになっている。

ナビゲート役はローズ本人。
カリプソの大御所マイティ・スパロウや、ローズの開拓した道を歩む人気シンガー、デストラ、カリブ海の名門大学、西インド諸島大学の教授やスティール・パンの研究者、文化省大臣などがコメントを寄せて奥行きをもたせる。

歴史に触れながら、スクリーンいっぱいに広がるカリブ海と街の色彩と、カリプソやレゲエ、スティール・パンの音色が旅情をそそる。

カリプソ・ローズの魂のドキュメンタリーである本作は、カリブの文化や音楽に魅かれる人なら必ず見たい重要作だ。

池城美菜子 音楽ジャーナリスト/翻訳家

What’s CALYPSO?

Calypso(カリプソ)とは:

カリブ海最南端の国トリニダード・トバゴで生まれた大衆音楽。カリブ海地域を代表する音楽で、レゲエのルーツの一つであるとも言われている。

1945年にアンドリューズ・シスターズがカバーし、世界で数百万枚を売り上げた「ラム&コカコーラ」などが有名。

また、1956年にハリー・ベラフォンテがアメリカで「バナナ・ボート」をヒットさせたことも、この音楽の世界的な普及につながった。日本では1957年に浜村美智子がこの曲をカバーした

ティム・バートン監督の映画『ビートルジュース』ではカリプソの「ジャンプ・イン・ザ・ライン」が挿入歌として使われ、ディズニー映画『リトル・マーメイド』の「アンダー・ザ・シー」ではカリプソのリズムが使われている。

カリプソは、奴隷貿易によってアフリカからもたらされた〈カリンダ〉と呼ばれる攻撃的な歌詞を持つ音楽が起源とされ、それと西洋音楽との融合によって 19 世紀末に誕生した。

〈ピコン〉と呼ばれる即興性の強い社会風刺を特徴とし、カリプソニアンと呼ばれる歌い手が、日常生活における困難や社会的問題、男女問題など、さまざまなテーマをリアルに伝える情報メディアとしての役割を果たす。また、カーニバルが文化の基層にあるトリニダードで、カーニバルの際に歌われ、カーニバルとともに発展してきた。リズムは4分の2拍子。

ローズプロフィール

 CALYPSO ROSE‘s Profile &

History of Calypso

Calypso Rose(カリプソ・ローズ):シンガーソングライター/カリプソニアン
本名: リンダ・マッカーサ・モニカ・サンディ゠ルイス
トリニダード・トバゴ共和国、トバゴ島生まれ。

※以下ピンク枠内Calypso Roseのエピソード

History

1900
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Late 19th〜

Late 19th〜
「カイソ」としても知られるカリプソは、トリニダード・トバゴのカーニバルとともに発達した音楽であり、レゲエやヒップホップなどのルーツであるとも言われている。その影響力、波及力は凄まじい。
1940
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1940

1940
トバゴ島の小さな漁師町ベセルにて、「カリプソの女王」となるカリプソ・ローズが誕生。
1945
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1945

1945
カリプソがアメリカで注目され、人気となる。アンドリューズ・シスターズが「ラム&コカコーラ」をリリースし、アメリカのビルボード・チャートで10週連続首位を記録!700万枚以上の大ヒットとなる。ロード・インベーダーの盗作と言われている問題作だ。
1955
01/1955

1955

1955
カリプソ・ローズが初のカリプソ曲を発表する。ある日、マーケットで女性のメガネを盗む男を目撃したことから、「メガネ泥棒」というタイトルの曲を制作。ジェンダーの不公平を訴える初のカリプソとして話題になる。
1956
01/1956

1956

ハリー・ベラフォンテの「バナナ・ボート」が世界的な大ヒットとなり、アルバム『カリプソ』も当時としては珍しいミリオンセラーを記録。ベラフォンテは一躍スターになり、カリプソが世界的に有名になるきっかけとなった。
1957
01/1957

1957

1957
日本でワールドミュージックが流行し、浜村美智子が“カリプソの娘”として「バナナ・ボート」のカバーでレコードデビュー。発売1ヶ月余りで18万枚を売り上げ、最終的に年間30万枚、現在までのトータルセールスではミリオンセラーを記録したとされる。
1960
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1960

1960
カリプソのメロディや歌詞に大きく影響された音楽ジャンル〈Ska(スカ)〉が誕生。エネルギーにあふれた管楽器のサウンドや、ギターによる独自のオフビートが特徴。
1963
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1963

1963
カリプソ・ローズ、トリニダード・トバゴ以外では初となるツアーを行う。グレナダとセント・トーマスを訪れ、初のレコーディング曲「Cooperation」によって「カリプソ・キング」コンテストを制したが、これは女性初の快挙だった。
1967
01/1967

1967

1967
ニューヨークのグランド・ボールルームでボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズと共演する。
1968
01/1968

1968

権威あるカリプソの賞、「カリプソ・モナーク」と「ロード・マーチ」(日本でたとえるとレコード大賞)を女性として初めて勝ち取るはずが、「女性にこの賞をあげることはできない」と言われて取り下げられる。
1970
01/1970

1970

Soca(ソカ)の誕生。1963年、カリプソニアンのロード・ショーティーが、カリプソのメロディに、インド系カリブ人の音楽のパーカッション(タッサ、タブラ等)を用いたリズムを融合させたのが始まりで、そこにさらにソウルやファンク等のアメリカンディスコ音楽の要素が加わり、発展した。カーニバルのために作られ、カーニバルとともに生きる大衆音楽である。カリプソ・ローズは初のソカとして「Action is Tight」を作った。 https://youtu.be/A5bhaHfVNdc
1974
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1974-1978

1974-1978
カリプソ・ローズ、トリニダード・トバゴにて「カリプソ・クイーン」の賞を勝ち取り、その後5年連続でその座に君臨する。また「Do Them Back」(1974年)が彼女の初のゴールド・レコードとなる。
1977
01/1977

1977

1977
「Gimme More Tempo」によって、トリニダードで最も名誉ある「ロード・マーチ」を女性として初めて勝ち取る。(画像出典:Soca IsYours/https://youtu.be/k9TNuZF2zKY)
1978
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1978

1978
「I Thank Thee」でコンペティションを制し、「カリプソ・キング」という賞の名を「カリプソ・モナーク」に変えさせる。
1989
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1989

ディズニー映画『リトル・マーメイド』のために作られた「アンダー・ザ・シー」でカリプソ音楽が使われる。https://youtu.be/g2RfNZsnuj4
1991
01/1991

1991

1991
トリニダード・トバゴの女性のための全国活動委員会から「最も優れた女性」の賞を与えられる。
1999
01/1999

1999

1999
カリビアンミュージックの国際的な賞を受賞する。
2016
01/2016

2016

BS ジャパン(現・BSテレビ東京)にて放送されたウルフルズ、トータス松本氏出演のトリニダード紀行番組「EARTH BEAT 大地に響け!120人のスティールパン」でトータス氏と共演。
2017
01/2017

2017

76歳の時にリリースしたアルバム『Far From Home』が、フランスのグラミー賞に相当する「Victoires de la Musique」で最優秀アルバム賞(ワールドミュージック部門)を受賞!
01/2017

2017

2017
レゲエの歌姫、チエコ・ビューティがカリプソ・ローズの「Rum & Coca Cola」を日本語でカバー。
2018
12/2018

2018

2018
フランスの音楽賞「SACEM(音楽作詞者作曲者出版者協会)グランプリ」でワールドミュージックの大賞を受賞。
2019
01/2019

2019

2019
世界最大級の音楽フェス「コーチェラ」に史上最年長、また初のカリプソニアンとして、歴史的な出演を果たす。(画像出典: Coachella/https://buzzbands.la)
2020
02/2020

2020

2020
フランスの芸術文化勲章を授与される。近年は、世界的に有名なフランスのアーティスト、マヌ・チャオともコラボレーションしている。

COMMENTS

よけいなお節介でゴメンなさい。
若返り法おしえます。
カリプソ・ローズの映画(シネマ)観て カリビアンビートに乗るだけよ。
カリプソ・ローズ はファイターだ。

思いの丈をメロディーにのせ、
セクシーダンス 武器にして
女性の地位を高めた女性(ひと)

飼いならされた羊じゃダメよ。
従うだけじゃ始まらない
「やりたいこと ヤレ!生きてる内に」
これがローズのメッセージ。

さあ踊りましょう ローズを真似て
今のご時世だからこそ
あなたも わたしも
只今、青春真っ只中。

浜村美智子(歌手)

夢で見たことを純粋に歌うローズ。しかし、彼女の内に秘めていた大きな力は、奴隷制、性差の問題を引き寄せた。そんな中、彼女が、一生懸命乗り越えながら発した「生きてるうちにやりたいことは、何でもやりなさい。」という言葉は、カリプソだけでなく、全てのカリブ文化への光の言葉といえる。

多東千惠(日本ラム協会理事)

男は強さを誇示し、女は男の身勝手を嘆く――そういう従来のカリプソ文化に対し、カリプソ・ローズはセクシーでつよい女をポジティヴに歌った。自分の心も身体も自分のもの、だから愉しむのも自分の意志、誰に従う気も消費される気もない、そういう女を。たしかにこれはほとんど新しい音楽様式といっていい。奴隷制時代からいまにいたる黒人たちの抵抗の歴史が、女の人生のあらゆる経験と結びつき、歌詞になり、カリプソとして噴出するのだ、強烈に、愉快に。

中村和恵(作家(詩・小説・エッセイ)、比較文学者)

映画を見て、カリプソローズさんが更に身近に感じられました~
50年代から活躍し、女性の立場向上、カリプソの為、深い愛情の元に歌われる数々の曲。そして孤独。もっともっとカリプソ・ローズさんを知りたくなりました。

CHIEKO BEAUTY (レゲエアーティスト)

カリプソ ・ローズ

彼女の深い信念と生きるエネルギーで、

私達は自分が小さく見えるかもしれない。

彼女の歌は包容力に満ち、涙と笑顔が生まれる。その使命を持ち、歌い続ける素晴らしい人間のお話。彼女の音楽スタイルは、カリプソニアン。それは今っぽく言うと、フリースタイルラッパーそのものだ!

人として、女として、そして歌手として、

私個人の憧れとなった。カリプソ ローズ。

是非、皆さんご覧になってください。

 

PUSHIM(レゲエシンガー)

カリプソ・ローズの手にかかれば、ちょっとした会話がメロディーとなり、歌がそのまま会話となる。圧倒的な男性優位のカリプソ界を生き抜き、その一部を確かに変えてきたインディペンデント・ウーマン。何よりもチャーミングで力強く、誇り高きその佇まいに魅了された。オルケストル・ポリ=リトゥモ・ド・コトヌーとの共演シーンがあったり、スピリチュアル・バプティストの儀礼のシーンがあったりと、見どころ多数。2021年の現在必要な活力と勇気を与えてくれる作品である。

大石始(ライター)

カリプソ・キングと呼ばれていたコンテストが、カリプソ・モナークと改められたのは、カリプソ・ローズの活躍があったからこそ。彼女のポジティブでエネルギッシュな歌声は、生き様そのものです。衝撃の告白もあります。男性上位なトリニダード・トバゴで闘い続けてきたローズの足跡。ここ日本でも、カリプソ・ローズの偉大さが改めて認識されることでしょう。素晴らしい。 時折、ギターで弾き語るローズもお見逃しなく。とてもすてきなのです。

ワダマコト(カセットコンロス)

パワフルで、カラフルで、優しくて、かっこいい。 そんな彼女の音楽にうっとりしていると、残酷で絶望的なストーリーにたどり着く。 自分勝手な欲望のために誰かが誰かを搾取する。これは決して昔話ではない。現在進行系のストーリーだ。 「人々を幸せにしたい」と、今も彼女が歌い続けるように、我々も命を容易に踏みにじるような価値観と戦い続けなくてはいけない。 改めてそう誓った。

クラーク志織 (イラストレーター)

この作品を観た者は気づくはずだ 太陽はすべてのものに光を与えるために 身も心も燃やし続けているということを…

宮沢和史(シンガーソングライター)

歌が持つ力を改めて知った。

AIが発達しようとテレパシーが通じようと、魂レベルで伝わる人間の歌には敵うまい。

その人の声が、言葉が、メロディーになり、リズムになる歌は、人間のスーパーパワーだ。

カリプソ・ローズも人間だが、薔薇色の太陽みたいな人なので、ついつい宇宙規模の感覚で聴いてしまうが、彼女は日常の何気ない会話も歌にする。

歌うことで人に喜びを与え、自分を知り、神を知る。

長い年月、宇宙と日常のインターフェースの如く歌い続け、この映画を観た私にも届いた。

私とはまったく違う国と環境と歴史を持っているのに、その想いがわかる。心が動く。涙が出る。

それが「カリプソ・ローズ=歌」の力なのであった。

森若香織(GO-BANG’S)

カリプソ・ローズ本人の語りや歌を映像で記録した貴重な作品。女性カリプソニアンは過去にもいたが、困難に負けずモナークやロードマーチを受賞するに至り、道を大きく切り開いたことが何よりの功績だろう。しかしさらに特筆すべきが闘病後の2000年代以降の作品の秀逸さだ。ワールドミュージックのクロスオーバー的なバラエティに富んだ良作が多く、冒頭のスカの曲もそうだし、マヌチャオとの共作などもあり、全く過去の人ではない。

竹田 研一朗 (ワールドミュージックDJで音楽愛好家)

「みんなを幸せにすることに自分を捧げたい」そんな慈愛の精神に満ちたカリプソ・ローズの歌声は、力強く、ポジティブで、優しい。どんなに心が傷ついても、どれだけ不当な扱いを受けても、ローズは止まらない。裸足で舞台に上がり、歌い続けるのだ。偉大な女性シンガーのドキュメンタリーを決して見逃してはならない。

南しずか(フォトグラファー)