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2019年4月。
世界でもっとも有名な野外フェス、コーチェラのステージに79歳で立った女性がいる。
カリプソ・ローズ。
半世紀以上もカリプソの女王として君臨し、西インド諸島の人々に深く愛されているシンガーだ。
2011年に公開された『カリプソ・ローズ』は彼女の魂と音楽の軌跡を追ったドキュメンタリー。
1940年にトバゴ島に生まれたローズは、15才からギターを片手に作詞作曲をはじめ、800曲以上も作った天才である。
パリ、トリニダード&トバゴ、ニューヨーク、西アフリカのベナン共和国。音楽の旅を続ける彼女を追いながら、牧師の娘として生まれながらカリプソ・アーティストを志し、男性中心の音楽業界で名を上げるまでの苦労、歌詞に込める思い、そして結婚をしていない理由など、めったに語られなかった女王の秘密がつまびらかになっていく。
ローズ個人の人生をひも解くうちに、トリニダード&トバゴが生んだカリプソとソカの背景、カーニバル文化の重要性や、アメリカやイギリスに移民するアフロ・カリビアンたちの生き方までも理解できる作りになっている。
ナビゲート役はローズ本人。
カリプソの大御所マイティ・スパロウや、ローズの開拓した道を歩む人気シンガー、デストラ、カリブ海の名門大学、西インド諸島大学の教授やスティール・パンの研究者、文化省大臣などがコメントを寄せて奥行きをもたせる。
歴史に触れながら、スクリーンいっぱいに広がるカリブ海と街の色彩と、カリプソやレゲエ、スティール・パンの音色が旅情をそそる。
カリプソ・ローズの魂のドキュメンタリーである本作は、カリブの文化や音楽に魅かれる人なら必ず見たい重要作だ。
池城美菜子 音楽ジャーナリスト/翻訳家
Calypso(カリプソ)とは:
カリブ海最南端の国トリニダード・トバゴで生まれた大衆音楽。
1945年にアンドリューズ・シスターズがカバーし、
また、1956年にハリー・ベラフォンテがアメリカで「バナナ・ボート」をヒットさせたことも、この音楽の世界的な普及につながった。日本では1957年に浜村美智子がこの曲をカバーした。
ティム・バートン監督の映画『ビートルジュース』
カリプソは、奴隷貿易によってアフリカからもたらされた〈カリンダ〉と呼ばれる攻撃的な歌詞を持つ音楽が起源とされ、それと西洋音楽との融合によって 19 世紀末に誕生した。
〈ピコン〉と呼ばれる即興性の強い社会風刺を特徴とし、カリプソニアンと呼ばれる歌い手が、日常生活における困難や社会的問題、男女問題など、さまざまなテーマをリアルに伝える情報メディアとしての役割を果たす。また、カーニバルが文化の基層にあるトリニダードで、カーニバルの際に歌われ、カーニバルとともに発展してきた。リズムは4分の2拍子。
Calypso Rose(カリプソ・ローズ):シンガーソングライター/カリプソニアン
本名: リンダ・マッカーサ・モニカ・サンディ゠
トリニダード・トバゴ共和国、トバゴ島生まれ。
※以下ピンク枠内Calypso Roseのエピソード
よけいなお節介でゴメンなさい。
若返り法おしえます。
カリプソ・ローズの映画(シネマ)観て カリビアンビートに乗るだけよ。
カリプソ・ローズ はファイターだ。
思いの丈をメロディーにのせ、
セクシーダンス 武器にして
女性の地位を高めた女性(ひと)
飼いならされた羊じゃダメよ。
従うだけじゃ始まらない
「やりたいこと ヤレ!生きてる内に」
これがローズのメッセージ。
さあ踊りましょう ローズを真似て
今のご時世だからこそ
あなたも わたしも
只今、青春真っ只中。
浜村美智子(歌手)
夢で見たことを純粋に歌うローズ。しかし、彼女の内に秘めていた大きな力は、奴隷制、性差の問題を引き寄せた。そんな中、彼女が、一生懸命乗り越えながら発した「生きてるうちにやりたいことは、何でもやりなさい。」という言葉は、カリプソだけでなく、全てのカリブ文化への光の言葉といえる。
多東千惠(日本ラム協会理事)
男は強さを誇示し、女は男の身勝手を嘆く――そういう従来のカリプソ文化に対し、カリプソ・ローズはセクシーでつよい女をポジティヴに歌った。自分の心も身体も自分のもの、だから愉しむのも自分の意志、誰に従う気も消費される気もない、そういう女を。たしかにこれはほとんど新しい音楽様式といっていい。奴隷制時代からいまにいたる黒人たちの抵抗の歴史が、女の人生のあらゆる経験と結びつき、歌詞になり、カリプソとして噴出するのだ、強烈に、愉快に。
中村和恵(作家(詩・小説・エッセイ)、比較文学者)
映画を見て、カリプソローズさんが更に身近に感じられました~
50年代から活躍し、女性の立場向上、カリプソの為、深い愛情の元に歌われる数々の曲。そして孤独。もっともっとカリプソ・ローズさんを知りたくなりました。
CHIEKO BEAUTY (レゲエアーティスト)
カリプソ ・ローズ
彼女の深い信念と生きるエネルギーで、私達は自分が小さく見えるかもしれない。
彼女の歌は包容力に満ち、涙と笑顔が生まれる。その使命を持ち、歌い続ける素晴らしい人間のお話。彼女の音楽スタイルは、カリプソニアン。それは今っぽく言うと、フリースタイルラッパーそのものだ!
人として、女として、そして歌手として、
私個人の憧れとなった。カリプソ・ローズ。
是非、皆さんご覧になってください。
PUSHIM(レゲエシンガー)
カリプソ・ローズの手にかかれば、ちょっとした会話がメロディーとなり、歌がそのまま会話となる。圧倒的な男性優位のカリプソ界を生き抜き、その一部を確かに変えてきたインディペンデント・ウーマン。何よりもチャーミングで力強く、誇り高きその佇まいに魅了された。オルケストル・ポリ=リトゥモ・ド・コトヌーとの共演シーンがあったり、スピリチュアル・バプティストの儀礼のシーンがあったりと、見どころ多数。2021年の現在必要な活力と勇気を与えてくれる作品である。
大石始(ライター)
カリプソ・キングと呼ばれていたコンテストが、カリプソ・モナークと改められたのは、カリプソ・ローズの活躍があったからこそ。彼女のポジティブでエネルギッシュな歌声は、生き様そのものです。衝撃の告白もあります。男性上位なトリニダード・トバゴで闘い続けてきたローズの足跡。ここ日本でも、カリプソ・ローズの偉大さが改めて認識されることでしょう。素晴らしい。 時折、ギターで弾き語るローズもお見逃しなく。とてもすてきなのです。
ワダマコト(カセットコンロス)
パワフルで、カラフルで、優しくて、かっこいい。 そんな彼女の音楽にうっとりしていると、残酷で絶望的なストーリーにたどり着く。 自分勝手な欲望のために誰かが誰かを搾取する。これは決して昔話ではない。現在進行系のストーリーだ。 「人々を幸せにしたい」と、今も彼女が歌い続けるように、我々も命を容易に踏みにじるような価値観と戦い続けなくてはいけない。 改めてそう誓った。
クラーク志織(イラストレーター)
この作品を観た者は気づくはずだ 太陽はすべてのものに光を与えるために 身も心も燃やし続けているということを…
宮沢和史(シンガーソングライター)
歌が持つ力を改めて知った。
AIが発達しようとテレパシーが通じようと、魂レベルで伝わる人間の歌には敵うまい。
その人の声が、言葉が、メロディーになり、リズムになる歌は、人間のスーパーパワーだ。
カリプソ・ローズも人間だが、薔薇色の太陽みたいな人なので、ついつい宇宙規模の感覚で聴いてしまうが、彼女は日常の何気ない会話も歌にする。
歌うことで人に喜びを与え、自分を知り、神を知る。
長い年月、宇宙と日常のインターフェースの如く歌い続け、この映画を観た私にも届いた。
私とはまったく違う国と環境と歴史を持っているのに、その想いがわかる。心が動く。涙が出る。
それが「カリプソ・ローズ=歌」の力なのであった。
森若香織(GO-BANG’S)
カリプソ・ローズ本人の語りや歌を映像で記録した貴重な作品。女性カリプソニアンは過去にもいたが、困難に負けずモナークやロードマーチを受賞するに至り、道を大きく切り開いたことが何よりの功績だろう。しかしさらに特筆すべきが闘病後の2000年代以降の作品の秀逸さだ。ワールドミュージックのクロスオーバー的なバラエティに富んだ良作が多く、冒頭のスカの曲もそうだし、マヌチャオとの共作などもあり、全く過去の人ではない。
竹田 研一朗 (ワールドミュージックDJで音楽愛好家)
「みんなを幸せにすることに自分を捧げたい」そんな慈愛の精神に満ちたカリプソ・ローズの歌声は、力強く、ポジティブで、優しい。どんなに心が傷ついても、どれだけ不当な扱いを受けても、ローズは止まらない。裸足で舞台に上がり、歌い続けるのだ。偉大な女性シンガーのドキュメンタリーを決して見逃してはならない。
南しずか(フォトグラファー)
トリニダード・トバゴで生まれ育ったカリプソの女王。 80歳にしてなお国際的に精力的な活動を展開するカリプソ・ローズは、この映画で世界各地を回りながら、歴史を遡る時間の旅にも私たちを連れて行く。 彼女の魔法のような歌声は、ものすごく大きな時間と空間と、そこで生きてきた人たちにつながっているのだ。 薔薇の名に相応しい大傑物の存在に感謝したい。
野中モモ(翻訳者・ライター)
映画は単なるカリプソ・ローズのドキュメンタリーというよりも、 カリプソの歴史と紹介に始まり、 トリニダードにおけるマチズモとそれに対するフェミニズム運動、 モコ・ジョンビーのような文化復興とスラムの貧困・教育問題、 最後は奴隷貿易と、カリブ=アフリカの間のつながりまで、 少しずついろいろな要素が入っていて、 それがカリプソ・ローズという一人の人間で交差しているのが、 凄い。
河内卓(雑誌『北と南』編集発行人)
まるでカリプソローズの側でパワフルな時間を共に過ごし、悲しみを共感しているような時間でした。それぞれの場所の空気と交わった音、そしてライブ映像、レコーディング風景共に、一ミュージシャンとして夢中でした。また日常にある出来事をなんでもメロディーに乗せて歌ってしまうカリプソローズは真の音楽人であり、夢の中でもメロディー、歌詞を作り出す。まさに圧巻です。 彼女のバックボーンを触れることになり、 人生の全てが音に変わる瞬間を目の当たりにしました。人間の深み、文化の深み、信仰の深み、歴史の深み、全てを感じることのできる素晴らしい映画でした。 早速、カリプソローズ聴いてます。
ミッチュリー(ピアニカの魔術師)
呼吸をするように歌を紡ぐカリプソ・ローズ。 自分自身のルーツや人生と向き合う彼女が歌うカリプソは、魂の叫びなのだと知りました。この映画に出合えてよかった。
渡辺満里奈(タレント)
カリプソローズ
なんて強い人だ!!
時に小さな石ころにすらも
つまづ いてしまいそうになる私へ 勇気をくれた。
男社会を渡り歩いてきた 彼女の言葉はとても信じられる。
「わたしも生きてるうちに やりたい事をやる、誰も止められない。」
鈴木紗理奈 / MUNEHIRO (タレント・女優 / レゲエシンガー)